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Q&A デジタル簡易無線局(登録局)について

◆デジタル簡易無線局(登録局)について
●測量観測現場では欠かせないトランシーバーのデジタル簡易無線局についての解説です。
 デジタル簡易無線局(登録局)を使用する事で、現場での作業効率が格段にアップします。
Q.デジタル簡易無線局(登録局)について教えて?
A.電波法で、1W以上の業務用無線機を使用する場合、総務省総合通信局の免許を受けるために免許申請が必要
   となります。免許申請を行わずに業務用無線機を使用すると電波法違反となり法的罰則の対象となります。
   1W出力以上のデジタル簡易無線の登録局は免許申請は不要で、登録申請するだけで使用が可能です。
   業務に使用できる無線従事者が不要な無線局として、上限5W(一部上限1W)の「簡易無線」が平成20年8月
   に制度化されています。

無線局の区分 免許局 登録局
周波数 154.44375~
154.61254MHz
467~
467.4MHz
351.2~
351.38125MHz
351.16875~
351.19375MHz
チャンネル数 19ch+
9ch(音声除く)
65ch 30ch 5ch
使用できる区域 全国の陸上 全国の陸上及び
日本周辺海域(*)
全国の陸上及び
日本周辺海域(*)
全国の陸上及び
日本周辺海域(*)
ならびにそれらの上空
最大電力 5W 5W 1W
キャリアセンス 不要
レンタル使用 不可
レジャー使用 不可
不特定の者との通信 不可(免許人所属に限る)

   ※キャリアセンス・・・
   登録局にのみ搭載が義務付けられている機能です。キャリアセンスとは、混信を防止することを目的に、
   同じ周波数帯で基準値以上の強さの電波を受信している時は、送信を禁止する機能です。登録局の無線機
   を使用している時に、LEDランプが緑色や青色に点滅している時は、キャリアセンス機能により送信がで
   きないことがあるので、その場合はチャンネルを変えていただくか、他の無線機の通話が終わった後で送
   信してください

   特定小電力トランシーバーは、免許申請、登録申請は不要で手軽ですが、デジタル簡易無線局(登録局)は
   登録申請及び登録経費と多少のランニングコストがかかります。ただ特定小電力トランシーバーから比べ
   ると、交信距離を伸ばせてデジタルのクリアーな音声・秘話通話などのメリットがあります。デメリット
   としては、特定小電力トランシーバーから比べると本体の購入価格が高い事と大きさ重量が多少増す事で
   す。
区分 資格 免許 周波数 送信出力 目的 アンテナ
交換
外部
アンテナ
中継機 技術
基準
適合
認定
特定小電力無線 不要 不要 420MHz帯
440MHz帯
10mWまで 仕事
レジャー
交換不可
外部使用不可
利用可 必要
デジタル簡易無線
(免許局)
不要 必要 150MHz帯
460MHz帯
5Wまで 仕事
業務
交換可
外部使用可
利用不可 必要
デジタル簡易無線
(登録局)
不要 登録
必要
351MHz帯 5Wまで 仕事
レジャー
交換可
外部使用可
利用不可 必要

Q.デジタル簡易無線局(登録局)の登録方法を教えて?
A.
 ■登録局の登録
  ・個別登録・・・無線機を1台づつ登録を行う。
  ・包括登録・・・無線機を2台以上一括して登録を行う。
   包括登録申請書をして登録状が交付された後、無線機の開設日から15日以内に
   「包括登録に係る無線局の開設届」を提出しなければなりません。

 ■申請方法
  ・電子申請・・・政府認証基盤 (GPKI) と相互認証された認証機関から発行された電子証明書が必要となります。
   総務省電波利用電子申請・届出システムのページをご覧ください。
   https://www.denpa.soumu.go.jp/public/index.html

  ・書面申請・・・ 包括登録 / 手数料(収入印紙) 書面申請:2,900円 電子申請:2,150円
   申請書(Word形式) 申請書記載例(PDF形式)
   届出書(Word形式) 届出書記載例(PDF形式)

  個別登録 / 手数料(収入印紙) 書面申請:2,300円 電子申請:1,700円
   申請書(Word形式) 申請書記載例(PDF形式)
  ※収入印紙は、取り扱いのある郵便局またはコンビニエンスストア等で購入ください。

 ・簡易無線局の電波利用料
  包括登録・個別登録・・・1局(一台)あたり 年間 400円
  電波利用料の納付は、開設した月の翌月末に電波利用料の納付書が申請いただいた
  住所に郵送されますので、納付期限内に金融機関等にて納付ください。

 ・申請書の提出先

  包括登録の場合・・・登録申請は申請者の住所(法人であれば登記上の本店住所)を管轄する
  総合通信局になりますが、開設届は、開設届に記載する常置場所を管轄
  する総合通信局になります。

  個別登録の場合・・・常置場所を管轄する総合通信局にご提出ください。

  納入告知先申出書・・・登録申請をされた総合通信局へご提出ください。

   申請書送付先一覧(PDF形式)

  ※手続きを行わず使用しますと、無線局の開設届出義務違反となり、30万円以下の罰金に処せられます。

Q.デジタル簡易無線局(登録局)のトランシーバーの交信距離はどれくらいなの?
A.交信距離の目安は下記の通りです。

   【5W出力時携帯無線機間の場合】
   ●建物が林立する市街地:約0.5km~1km
   ●見通しの良い郊外  :約1km~4km
   ※交信距離は、周囲の状況環境により異なります。
   ※デジタル簡易無線の機器は、アンテナを高性能なものに交換でき、更に電波飛距離を
    アップさせることも可能です。


Q.デジタル簡易無線局(登録局)の使用方法について注意点は?
A.使用方法について注意点は下記の通りです。
 ・登録局(種別:3R)のチャネル15は、呼出チャネルとされています。
  3Rのデジタル簡易無線局(上空利用ができない登録局)は、チャネル番号15(351.2875MHz)が呼出専用
  チャネルになっており、このチャネルではスクランブル(秘話)機能やユーザーコード(選択呼出)は設定
  できない仕組みになっています。
  呼出専用チャネルは、相手を呼び出すためだけに使用し、通話はそれ以外のチャネル
  (通話チャネル:チャネル番号1~14及びチャネル番号16~30)を使用しましょう。

 ・相手の呼出が終われば、通話チャネルに移りましょう。
  呼出専用チャネル(チャネル番号15)で相手を呼び出したら、通話チャネルに速やかに移動しましょう。
  呼出専用チャネルでの長時間の通話やチャネルの占有は、他の利用者の迷惑になりますので、
  このような使い方はやめましょう。


Q.デジタル簡易無線局(登録局)のトランシーバーにはどんなメーカーや機種があるの?
A.主要メーカと一部の最新機種は下記の通りです。
メーカー名 八重洲 スタンダード アイコム JVCケンウッド
主要機種名 SR720 VXD-30 IC-D70BT IC-DPR4C TPZ-D553 TPZ-D510
最大出力W数 5W 5W 5W 2W 5W 2W
チャンネル数 30ch+5ch 30ch+5ch 30ch+5ch 30ch+5ch 30ch+5ch 30ch+5ch
主な特徴 Bluetooth内臓 小型軽量 Bluetooth内臓 Bluetooth内臓 小型軽量 小型軽量
写  真
メーカー名 アルインコ モトローラ wave CSR
主要機種名 DJ-DPS50B DR-DPM60 MiT3000 MiT5000 HX575VJD121
最大出力W数 5W 5W 5W 5W 5W
チャンネル数 30ch+5ch 30ch+5ch 30ch+5ch 30ch+5ch 30ch+5ch
主な特徴 小型軽量 モービル用 小型軽量 小型軽量 小型軽量
写  真
  実勢販売価格は、1台2~5万円台で販売されている機種が多いです。

【参考資料/GNSS受信機用機材】
メーカー名 Trimble (販売終了)
機 種 名 NT-48D
・電波法に定められたデジタル簡易無線登録局

・最大5Wの強力な出力により安定した長距離データ伝送
 が可能
・多彩なオプションアンテナに交換が可能

・デジタル化によりノイズ環境下でも安定した伝送性能
 を発揮

・最大データ転送可能衛星数:20衛星(RTK-GNSS対応)

・データ伝送だけでなく音声通話機能も搭載
最大出力W数 5W
(出荷時設定1W)
周波数帯 351MHz帯
主な特徴 RTK-GNSS用
データリンク
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メーカー名 Trimble (販売中)
機 種 名 XEGSCRT
・電波法に定められたデジタル簡易無線登録局

・アルインコ製 デジタル簡易無線機

・移動局側はオプションアンテナ(市販)
 &オプション外部バッテリ(市販)装着可能

・デジタル化によりノイズ環境下でも安定した伝送性能
 を発揮

・RTK-GNSSのデータ伝送が可能

・データ伝送だけでなく音声通話機能も搭載
最大出力W数 5W
(出荷時設定1W)
周波数帯 351MHz帯
主な特徴 RTK-GNSS用
データリンク
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